読んだ後に思わず見返したくなる小説が読みたい!
そんな時におすすめの小説があります!
それは「イヤミス」とよばれるジャンルの小説です。
イヤミス初心者でもすんなり読みこめるおすすめの小説を3つ紹介していきます!
とってもベタな作品だよ!
イヤミスってなに?
読み終わった後に、いや〜な気分になる、後味の悪さがあるミステリー小説のジャンル
水戸黄門のように「事件解決!一件落着!わっはっはっは」で終わらないのがイヤミス。
”事件解決の後に実はまだ終わってないの?まだ悲劇は続くの?”
と、思わせるようなものがあったり、
”え?何?気持ち悪いままなんだけど!”
という、スッキリしない「読者のご想像におまかせ」パターンもあります。
ドラマでいうと「あなたの番です」みたいな感じ
(ハッピーエンドが大好きな私が嫌いなジャンルです。笑)
これぞイヤミス!「告白」湊かなえ
松たか子さんが主演の映画で話題にもなった「告白」です。
「イヤミスの女王」という二つ名を持つ、湊かなえさんの作品。
なんとデビュー作という衝撃!
「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。衝撃的なラストを巡り物議を醸した、デビュー作にして、第6回本屋大賞受賞のベストセラーが遂に文庫化!“特別収録”中島哲也監督インタビュー『「告白」映画化によせて』。
「BOOK」データベースより
イヤミス小説の代表作です。
私は、映画を観てから小説を読みましたが、個人的には映画より小説の方が怖さ倍増でした!
映画と同じく小説もそれぞれの登場人物の視点で事件について語られています。
- どの登場人物も気持ち悪い
- 「生々しさ」「感情」が映画よりすぐそばに感じられて怖い
- ラストの数行が圧巻
- 怖いけど答え合わせでもう一度読みたくなり、もっと怖くなる
- 牛乳がしばらく飲めなくなる。笑
章が進むと真相が明らかになっていくので、ぐいぐい読み進められる。
読み終えて、もう嫌だ!二度と読むか!
と思ったけど、あれってどうだったっけ?と、もう一回読んだが最後。
理解が深まるとますます怖い。
その日は眠れなかった…
ただの「復讐劇」ではない。
心がえぐられるような、そんな作品です。
本に触れるのも怖くなる!「パレード」吉田修一
こちらも映画化されています。
著者は「悪人」などを代表作にもつ吉田修一さんです。
都内の2LDKマンションに暮らすのは男女四人の若者達。「上辺だけの付き合い?私にはそれくらいが丁度いい」。それぞれが不安や焦燥感を抱えながらも、“本当の自分”を装うことで優しく怠惰に続く共同生活。そこに男娼をするサトルが加わり、徐々に小さな波紋が広がり始め…。発売直後から各紙誌の絶賛を浴びた、第15回山本周五郎賞受賞作。
「BOOK」データベースより
この作品に関しては全く事前情報をいれずに、平積みから偶然手に取って読みました。
先ほど紹介した「告白」と同じく、登場人物それぞれの視点で章が進んでいきます。
- 初めは淡々とした日常で何が面白いのかわからないが、それがまた気持ち悪い
- 上記の違和感と気持ち悪さが徐々に蓄積
- ラストにぬめぇぇぇっとした気持ち悪さ到来!
- 全体を通してリアルで日常感が恐怖倍増
ちょっとリアルすぎるんです。
「こんなことあるはずがない」ではなく「こうなるのもわからなくもない」というのが、日常のすぐ隣にある恐怖を感じさせます。
こちらも二度読むと伏線が色々わかるのですが…
部屋に本を置いてるのも怖くなってしまい、友達にプレゼントしちゃいました。笑
タイトルの意味も最初は謎でしたが、最後まで読み進めると「ああ、そういうことか」となりました。
(明確には表現されてないので読者それぞれですが)
私の見解は「パレード」のような表面的な明るさと華やかさ、一糸乱れぬ行進。半面一人一人は何を考えているのか分からないという不気味さがぴったりだなと。
いや、本当はもっと言いたいことがあるんだけど、ネタバレになってしまうので言えない!
衝撃のラストが知りたい方におすすめの小説です。
本当の”秘密”の意味とは?「秘密」東野圭吾
またまたこちらも映画化されています。
著者は言わずと知れた人気作家の東野圭吾さん。
東野さんの作品では珍しく殺人事件が起こりません。笑
妻・直子と小学5年生の娘・藻奈美を乗せたバスが崖から転落。妻の葬儀の夜、意識を取り戻した娘の体に宿っていたのは、死んだはずの妻だった。その日から杉田家の切なく奇妙な“秘密”の生活が始まった。映画「秘密」の原作であり、98年度のベストミステリーとして話題をさらった長篇、ついに文庫化。
「BOOK」データベースより
この映画がテレビでやっていて、ずっとラストが気になってたんです。
その当時の私(小学生)は「秘密」そのものを全然理解できてなかった。
「広末涼子大胆な役だな〜」なーんてくらいしか思わんかった。笑
で、大人になってから思い出したかのように一気に読みました。
- 映画とは違って小説ならではの生々しい表現
- 複雑に絡み合う登場人物それぞれの事情と感情
- 誰に感情移入するか、で泣けるし、胸糞悪い
- ラストで「秘密」の本当の意味が覆る
”登場人物の誰に感情移入するか”で大きく感想が分かれると思います。
それぞれの登場人物の立場になったら、私はどうするかな?と考えちゃう作品。
んで、胸糞悪いって思う反面、仕方ないよな、ってなる…
愛しさと、切なさと、心強さと…(違う作品になっちゃう)
映画のキャッチコピー『運命は、愛する人を二度奪っていく』はなんか違うな。
運命なんて綺麗事じゃないんだよなぁ。
ラストは思わず力が抜けて本を落としてしまった…!
放心状態になりたい人におすすめの作品です!
イヤミスは読んだら後悔する?
私はハッピーエンド大好き人間なので、この3作でイヤミス作品は卒業しました。笑
そして、小説を買うときは最後のページを確認してから買うようなりました(最悪の読者)
ただ普通の感覚の人ならイヤミス小説はめっちゃ面白い作品が多い!
これは断言できる!
最後にちょっと笑えるおすすめの小説をご紹介。
こちらは「イヤミス」ではないが、ブラックジョーク作品盛りだくさんの短編集です。
東野圭吾ってこんな小説も書くんだ!
と、感心した作品。
「笑シリーズ」と言われていて、他にも「黒笑小説」「怪笑小説」「歪笑小説」がありますが、「毒笑小説」が面白いかな!
超読みやすいので、イヤミスまで行かないけどちょっとブラックものが読みたい方におすすめです!